あまり聞きなれなのですが、ITIL(アイティル)って何ですか?
運用や管理に関する枠組みを体系的にまとめた事例集のようなものだよ。
安定稼働を目指すシステム運用にとって、起こりうる日々のイベントを記録することは重要な業務です。発生した障害内容、修正プログラムのリリース、部品の手配や交換、対応業務の引継ぎなど、記録と報告の内容は多岐にわたるでしょう。
もちろんシステム運用に限らず、さまざまな業務にとって情報の記録や共有といったことは役立ちますが、そのためには運用ルールやインシデント管理に役立つツールなどが必要になります。そこで登場するのが運用フレームワークの知識や、プリザンター( https://pleasanter.org )のようなWebデータベースといった情報共有ツールの導入であり、これらを活用することでインシデント管理の業務を容易にしてくれます。
そもそもインシデント管理とは?
インシデント(incident)とは、大きな事故や障害が発生する恐れがある事象や、その可能性として、危機管理の用語として広く使われています。
アクシデント(accident)といった重大事故が起こる前には、予兆としてインシデントが多々発生するとも言われており、情報を管理をすることで未然に予防策を講じるというメリットがあります。システム運用においては発生した事象を正確に把握し、チーム内で迅速に共有することが求められます。
また発生した事象を記録するだけでなく、障害発生から復旧するまでの応急処置や対応といった一連のプロセスもインシデント管理に含まれており、ユーザーのサービス利用を妨げる事象に対応することでITサービスを継続して利用できることを目標としています。
ITILという運用フレームワーク
ユーザーにとってシステムは安定的に提供されるべきであり、課題は継続的に改善することで、単なるシステムからより使いやすいITサービスへと近づくことでしょう。
それは「ITサービスマネジメント」とも呼ばれていますが、どのようにして理想のITサービスを実現的なものにすればよいでしょう?その指針としてITIL (Information Technology Infrastructure Library)という運用に関するフレームワークが挙げられます。
ITILとはITサービスマネジメントにおける成功事例(ベストプラクティス)を集めたものであり、大手企業やシステムインテグレータなどのシステム運用を中心に知られ、多くの運用に関わる部門で活用されています。
またITILではITサービスのライフサイクル(企画~構築~運用)での重要項目として、5つのカテゴリをプロセスとして挙げています。
- サービス・ストラテジ(サービスの戦略、立案)
- サービス・デザイン(サービスの設計、変更)
- サービス・トランジション(サービスの立ち上げ、移行)
- サービス・オペレーション(サービスの運用)
- 継続的なサービス改善(運用フローの見直し、PDCAの実施)
インシデント管理はこの中のサービス・オペレーションにあたり、ユーザーと合意されたサービスレベルを維持、提供することを目的とした項目にあたります。
大規模システムのインシデント管理にも対応
インシデント管理といったITILに準ずる運用には、情報の記録や共有を効率化が重要課題であり、それらを解決するにはツールの活用が必要不可欠です。
そこでプリザンターを導入すれば、インシデント発生時の受付や分類、優先度の割り当て、調査から回答、解決項目のクローズといった一連の流れや現状を可視化することができます。
一覧表示なら時系列に故障内容や対処方法をすぐに把握できるので、対象のレコードをクリックするだけで詳細情報を表示したり、キーワードでのあいまい検索で必要な情報を探し出すこともできたりするのも、エクセルではなくプリザンターならではです。
また表示方式も用途にあわせて自由に切り替えることができます。例えばカンバン方式であればフェーズごとに分類することができ、ドラッグ&ドロップといった直感的にフェーズを変更するといった操作ができるのもプリザンターの特徴です。
さらにカスタマイズすることでクリップボードから直接画像をペーストしたり、レコードの登録時・更新時にメールやチャットツールに通知をしたりすることも可能です。
このように多機能で便利なプリザンターですが、オンプレミスで利用できるダウンロード版ならユーザーライセンスが不要といったこともあり、あらゆるシーンで導入されている理由のひとつといえるでしょう。
インシデント管理はあらゆる分野で応用可能
いわゆるヒヤリハットといったインシデント管理の必要性は、何もITサービスだけに限った話ではありません。例えば物流なら発送事故、介護なら介護者の体調管理など、さまざまな分野において発生することであり、挙げればキリがありません。
そんな場合でも無料で気軽に導入できるプリザンターなら、専門知識を理解しなくてもマウスで直感的に操作ができるので、IT業界以外の業種でも幅広く導入できるかと思います。
より本格的な運用もローコストで始められる
プリザンターのオープンソース版とクラウドのスタンダートプランならインシデント内容の登録時にエビデンス(証跡)となる画像や資料を登録することができます。
(※スタンダートプランの場合、画像と添付ファイルの機能は有料オプションです)
作成したレコードに関連ファイルを紐づけることができるので、調査や対処の際にエビデンスが必要な場合もわざわざファイルを探す手間がなくなり、データーベースでの検索結果には欲しい情報はすべて揃った状態で取得できるので大変便利です。
このように小規模なITサービスから大規模なシステム運用まで、インシデント管理で欲しい機能は一通り揃っていますので、本格的な運用ツールとしてあらゆる業務に即戦力として役立つことでしょう。